いつかちょっと長い休みをとって、花の咲き誇る南仏の村を巡り、美しい風景の中で暮らすように旅してみたい…。
そんな夢を叶えに、ニースを拠点に南仏を巡る2週間の旅に行ってきました。
ニース周辺には個性的で、まるで絵本の中に入り込んでしまったかのようにフォトジェニックな街や村がたくさんあります。
思いがけず素敵な村を見つけ、長居したくなることもしばしば。
そんな南仏には、予定や同行者を気にしながら有名スポットを駆け抜けるように巡るのではなく、自分の心のときめきに従って行き先を決められる一人旅がぴったり!
古い映画にでてきそうなクラシックなお部屋に泊まり、旧市街のマルシェで素敵な野菜やフルーツが買えたら、サンドイッチを作って海沿いでピクニック。
ある日には足を伸ばして、中世の趣を色濃くのこすフランスの美しい村へタイムトリップ。
心の赴くままに暮らすように旅するニース旅の魅力を、一人旅でもコストを抑える工夫などを交えながらご紹介します!
1. フランス屈指のリゾート地、ニース

地中海沿岸に位置し、1年中穏やかな気候に恵まれ、世界中のセレブリティがバカンスを過ごしに来るヨーロッパ屈指のリゾート地、コート・ダジュール。
その玄関口となる街が、ニースです。

中世の面影を残すオレンジの屋根の旧市街の先には、どこまでも広がる紺碧の海と空。
海岸は7kmにも渡り、その美しさはニース・ブルーと讃えられるほど。

日本との時差は、-8時間(サマータイム中は-7時間)。
残念ながら日本からの直行便はありませんが、パリをはじめとするヨーロッパ各地の経由地も楽しみながら向かいましょう。
もし少し時間があるならカタール航空などの中東のエアラインを使って中東乗り継ぎでいくと、燃油サーチャージがかからずサービスもしっかりしており、お得に満足度高く旅することができます。
2. ニースが一人旅におすすめの理由

ビーチリゾートに一人旅をしたいと思った時に多くの人が気になるのが、周りが楽しそうな中、一人寂しく浮いてしまわないか…ということではないでしょうか。
ニースはビーチリゾートでありながら街中も発展しているので、一人でも浮かずに海辺を満喫することができます。

イタリアに近いリゾート地なので、街の雰囲気も明るくカラッとしており、歩いているだけで心がワクワクしてくるよう。
それでいて都市部よりものんびりとした時間が流れており、一人で歩いていてもピリピリと警戒せずにリラックスして過ごせます。
(もちろん夜間は出歩かない、人が集まるところではスリ等に気をつけるなどの常識的な防犯は必要です。特にトラムや列車でのスリは要注意!)

ニースは公共交通機関が発達しており、南仏巡りの拠点としても最適。
ニース市内だけでなく、近隣のフランスの街やイタリア、モナコまで日帰りや1泊での旅行が可能。
レンタカー不要で南仏を周遊できるところも大きな魅力の一つです。

ニース近隣には、中世の面影を色濃く残す小さく魅力的な村が多く存在します。
通常の旅では、そういった村は日帰りでわずか数時間訪れるのみで、スポットを詰め込んでノルマのように巡る観光旅になりがち。
でもひとり旅なら、心のときめく村に好きなだけ滞在できます。
ひとり旅でネックになることの一つが、素敵な場所で自分を入れた写真が撮りづらいことですが、小さな村に泊まりがけで訪れれば、人けのないフォトジェニックな村の中で三脚をたてて撮影することだって可能に!

運転できない人でも、自分の心の赴くままに行きたいところを周遊。
まるで物語の世界に入り込んでしまったかのような旧市街の美しい街並みの中、たくさんの思い出を写真に残しながら暮らすように旅する、そんな旅がニース一人旅では叶うのです。
3. ニース一人旅でおすすめの観光スポット

そんなニースに滞在したら、ぜひ巡りたいスポットを紹介します。
1) プロムナード・デ・ザングレ

紺碧のニースの海岸に沿って、約3.5kmにわたって続く遊歩道「プロムナード・デ・ザングレ」。
近くにあるニース城址公園の高台から見下ろすこの風景は、ニースを紹介する際に必ず使われる、ニースを代表するスポットです。
遊歩道の片側には白と青のパラソルの並ぶ穏やかな海、反対側には高級ホテルやレストラン、カジノが軒を連ね、とても華やか。
遊歩道の道幅は広く、犬の散歩やサイクリングをする地元の人の姿もみられ、リラックスした時間が流れています。

海岸沿いに椅子の並ぶ光景は、まるで絵葉書のよう。
2) サレヤ広場のマルシェ

フランスに行ったら、見逃せないのがマルシェ(市場)。
ニースにはいくつかのマルシェがありますが、一番行きやすいのは旧市街にあるサレヤ広場のマルシェです。


火曜日〜日曜日の午前中に開催。月曜日は開催されませんが、そのかわりにアンティーク市場が開かれます。
並んでいるのは色とりどりのフルーツや野菜、スパイス、プロヴァンスのラベンダーやマルセイユ石鹸、切花、美味しそうな惣菜パンなど…。

花を買ってホテルに飾ったり、買ってきたフルーツで朝食にしたり…。
マルシェでの買い物を滞在に取り入れれば、いつものありきたりな観光旅とは違う、旅先が自分だけの特別な居場所になるような、そんな素敵な体験に。

ちなみにトラムのリベラシオン駅のそばでも、月曜以外の毎日マルシェが開催されています。

サレヤ広場のマルシェより規模は小さめで、観光客ではなく地元の人向けの雰囲気。

こちらはほぼ食料品のみです。
3) マセナ広場

ニースを訪れたなら必ず1度は通るであろう、街の中心地にある広場。
チェス盤、あるいはチェッカーフラッグのようにも見える白黒の地面がとてもおしゃれ。その中央をトラムが通り抜けていきます。
広場では大道芸人が芸を披露する姿もみられ、これぞフランスの広場といった趣。

すぐそばには高級デパート「ギャラリーラファイエット」があり、またマセナ広場からニース市街を南北に走るジャンメンドウサン通りには数々のショップやカフェが立ち並び、ショッピングにも便利です。

毎年2月中旬からこの広場で約2週間にわたって開催されるニースのカーニバルは、国内外から100万人以上もの人々が訪れる大イベント。
クリスマスの時期にはクリスマス・マーケットも開催されます。
4) ニース旧市街

マセナ広場から南東の地区に広がる旧市街。マルシェのあるサレヤ広場やプロムナード・デ・ザングレを見おろす城郭も、この地区に含まれます。
左右に黄色やオレンジ色のカラフルな建物が立ち並ぶ、迷路のように入り組んだ細い石畳の路地。異国情緒たっぷりで、歩いているだけで心躍る場所です。
狭い路地には、軒先にまでテーブルを出した小さなビストロがひしめきます。
このあたりは庶民的なお店も多いので、ぜひニース名物であるソッカやジェラートなどの食べ歩きも楽しみながら散策を!
5) シミエ修道院

ニースの喧騒から離れた丘の上に佇むシミエ修道院は、ニース観光の穴場的スポット。
観光客でにぎわう旧市街や海岸通りとは対照的に、落ち着いた時間が流れるこの場所は、静かに心を整えたいときに訪れるのにおすすめです。入場無料。
9世紀に設立された修道院で、復元を経て現在の姿へ。
周囲には、修道院のかつての菜園だったという、四季折々の花が咲き誇る庭園が広がります。

修道院の中にも入れ、天井に描かれたフレスコ画は見応えあり。
また、シミエの丘にはなんとローマ時代の遺跡が残っています。そしてすぐそばにはアンリ・マティスの作品をじっくり堪能できる「マティス美術館」も。ぜひ一緒に訪れてみてください。
他のスポットが集まっている海側からは少々離れているため、数日滞在し時間のある人向けのスポットです。
6) かごバッグ専門店 「ル・パレ・ドジエ」

フランス人の気取らない自然体のファッションに欠かせないアイコン的アイテム、カゴバッグ。
滞在中に欲しくなったら、ぜひペール・ブルーの外観が目を引くこのお店へどうぞ。
ニース旧市街のサルヤ広場の近くの路地に佇む、カゴバッグ専門店「ル・パレ・ドジエ」。
店内には天井近くまで、大小さまざまなバスケットやトート、収納バスケットなどが所狭しと並びます。種類も豊富で、お値段も手頃。

憧れの南仏旅には、可愛いカゴバッグはマストです!
マルシェで買った果物やバゲットを、無造作に紙に包んでかごバッグに入れて…そんなふうに、買ったその日から使ってしまうこと間違いなし。
4. ニースと一緒に巡るのにおすすめのフランスの美しい村・街

ニース旅の醍醐味は、ニースだけではありません。
ニースを拠点に、南仏の小さな美しい村はもちろん、モナコやイタリアまで、地中海に面した大人気のフォトジェニックな街を巡れます。
フランスには今なお中世の街並みを色濃く残す、映画の世界にタイムスリップしたかのような気分が味わえる小さな村がたくさんあります。ですがほとんどが、交通の便のとても不自由なところにありがち。
レンタカーなしでバスや列車を駆使して巡れる場所は珍しく、それが叶うことこそがニースに滞在する醍醐味の一つといっても過言ではないでしょう。
日帰りで行ける美しい村の代表格は、南仏で日本人に最も人気の村、エズ。

そこに広がるのは御伽の世界。かわいらしい中世の鷲ノ巣村です。
その他、サン=ポール=ド=ヴァンス、ヴァンス、カーニュ=シュル=メールなどの中世の村にもアクセス可能です。
また同じくコート・ダジュールの港町、マントンも人気の日帰りスポット。

イタリアとの国境に近くニース以上に陽気な雰囲気が漂うこの街は、パルテルカラーの建物とレモンで彩られた、とても可愛らしくフォトジェニックな街。
そしてマントンと同時に巡れるのが、電車でわずか30分でいける小さな外国、モナコ。

世界中のセレブが集うラグジュアリーなリゾート地で、グレース王妃ゆかりの王宮や、ヨットが並ぶモナコ港、カジノ・ド・モンテカルロなど、街全体がまるで映画の中のような絢爛豪華な雰囲気に包まれています。
どの街や村に行ってどれだけ滞在するか、迷ってしまいますね。一人旅ならその日の気分で、決めるのも思いのまま。

日帰りもいいですが、ぜひ泊まりで足を伸ばして、異世界に迷い込んでしまったかのような時間を存分に楽しんでください。
南仏周遊のモデルコースは、後の記事で詳しくご紹介します。
5. フランス・ニースひとり旅でコストを抑えるtips

誰にも邪魔されずに思う存分自分の好きを突き詰めて過ごせる、いいことづくめのひとり旅。ですが、ネックになるのは費用です。
ホテルは一部屋あたりの料金なので、一人旅だと2名で使う時に比べ倍の料金を払わねばならず、どうしてもコストがかさみがち。
1) 滞在先ではホテルではなく民泊も活用を

ホテルに比べると、手頃に泊まれる場所の多い民泊。
そのかわり非日常感は劣り、設備も整っておらず、それではせっかくのフランス旅行なのに勿体無い…と思う方もいるかもしれません。
しかしフランスでは一般の建物もアンティークな雰囲気たっぷり。
まるで歴史的建造物に泊まるかのような掘り出し物のお部屋を見つけることも!

旅先の非日常感を損なうことなく、フランスのクラシカルな美しさにひたることができます。
むしろホテルの方が、真新しくモダンで画一的な設備のお部屋が多く、興醒めしてしまうことも。
古い鍵をシャラシャラと鳴らしながら、手動のアンティークなエレベータに乗ってお家に帰ってくる日々。気分はまるでニースの住人。

Airbnbやシャンブル・ドットを活用し、クラシックで麗しい建物に暮らすように泊まる。
お手頃なだけでなく、古い映画の登場人物になったかのような没入感に浸れておすすめです。
2) 食事はマルシェや地元のスーパーを活用し暮らすように滞在する

フランスのレストランの一食は日本人には多すぎて、三食外食では胃がもたれがち。
観光しながらジェラートやニース名物ソッカをつまみ食いしていたら、お腹が空く間もありません。
一人旅なら相方のお腹の具合を気にする必要はないので、そんな時は節約も兼ねてスーパーやマルシェで買ったもので軽く済ませましょう。
自炊はしなくても大丈夫です。美味しいバゲットに果物、チーズにヨーグルト…パッと食べれる手頃で美味しいものに溢れています。

ある日には、ランチ用にマルシェで買ったパンにチーズをはさんでサンドイッチを作りながら、ふと思いついて買ったばかりのカゴバッグに詰めて、海辺のピクニックをしてみたり。

節約ご飯も、普通に観光しているのでは体験できないような、フランスらしい特別な思い出に早変わりです。
フランスは夜一人では入りにくいレストランが多く、ディナーの場所に困ることがありますが、マルシェや地元のスーパーを活用すればそんな問題も解決。

なお、フランスのホテルには湯沸かしポットがないところが多めなので、海外の電圧に対応した湯沸かしポットやお気に入りのティーバッグなどを持っていくと便利です。
6. ニース一人旅で暮らすように旅する理想のフランス旅を叶えよう

地中海の眩い太陽の光の下、紺碧の空と海、咲き誇るブーケンビリアが色鮮やかに世界を彩るニース。
この麗しい南仏の街で、自分の心のときめきのみに従いゆったりと暮らすように旅した日々は、まるで古い映画の登場人物になったかのような特別な時間となりました。
一人旅だからこそ叶えられる理想の南仏旅、ぜひ出かけてみてはいかがでしょう?
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