アジアを巡る2週間の一人旅。その旅の幕開けを飾るのは、今回で6度目の訪問となるシンガポールです。洗練された都会の風景と豊かな自然が共存するこの国は、訪れるたびに新しい魅力を発見し、何度でも戻りたくなる不思議な場所。
シンガポールは、女性でも安心して一人旅を満喫できる環境が揃っています。
多国籍文化が息づく独特の雰囲気や自然を楽しみながら、自由で心地よい旅のひとときを過ごせる――そんな「一人旅の楽しさ」が詰まったシンガポールの魅力を2泊3日の実体験とともにお届けします。
シンガポールが一人旅にぴったりな理由4選

一人だからこそ、自分のペースで気になる場所を巡り、シンガポールの多彩な表情を楽しむ時間は、まさに贅沢なひとときです。今回は、一人旅にぴったりなその理由を4つの視点からご紹介します。
①治安がよい

シンガポールの治安の良さは、女性の一人旅には特に嬉しいポイントです。
夜遅くにマリーナベイサンズを一人で歩いた時のこと、目の前に広がる煌びやかな夜景に見惚れながら、心が落ち着いていくのを感じました。
一人で街を歩いても心からリラックスできるのは、ここがシンガポールだからこそ。
一人で過ごす夜でも、まるで街全体が温かく包み込んでくれるような、そんな安心感がこの街にはあります。
②街がきれい

初めて訪れたとき、街の清潔さに驚いたことを今でも覚えています。
ゴミひとつない通り、道沿いに美しく整えられた街路樹や植物、所々に溶け込むように配されたアート。都会でありながら自然の温もりもたっぷり感じられます。
女性一人でも心地よく歩ける、清潔で美しい街並みは、シンガポールの大きな魅力の一つです。
③街がコンパクトで観光しやすい

シンガポールは小さな国。主要な観光地がぎゅっと集まっているため、MRT(地下鉄)やバス、Grab(配車アプリ)を使えば、スムーズに観光ができるのも嬉しい点です。
朝はガーデンズ・バイ・ザ・ベイで植物に癒され、昼にはマリーナベイサンズのショッピングセンターでゆっくりランチ。マーライオン公園で写真を撮った後、オーチャードで思う存分ショッピング。そして夜はナイトショーを楽しみ、夜景を眺めながらディナー。
そんな贅沢な1日のスケジュールをこなせるのも、シンガポールがコンパクトな街だからこそ。
④多文化国家のシンガポール

シンガポールの魅力の一つが、多文化が融合する独特の街並みです。
チャイナタウンやアラブ・ストリート、リトルインディアなど、それぞれのエリアで異国情緒が漂い、まるで国の中に別の国が存在しているかのよう。
それぞれの文化が調和しつつも個性が感じられるこの多文化の街並みが、一人旅の心を豊かにしてくれます。
シンガポール一人旅でおすすめな観光スポット5選

シンガポールは、一人旅でも自分のペースで満喫できるスポットが豊富です。
南国の植物に囲まれて過ごす癒しの時間や、フォトジェニックなスポットでの写真撮影、異国情緒あふれる街並みを散策したりと、訪れるたびに新たな発見があります。
今回は、一人旅にぴったりのシンガポールの楽しみ方を5つご紹介。
①ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
シンガポールで一番お気に入りの場所である、「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。
「スーパーツリーグローブ」が象徴するこの未来型植物園は、広大な101ヘクタールの敷地にさまざまな植物園や庭園、池が広がっています。

無料エリアと有料エリアがあり、無料エリアだけでも十分にに楽しめるのが魅力です。広々とした敷地内には南国の植物が至るところに生い茂り、散策するだけで心躍る時間を過ごせます。
なかでもお気に入りなのが、有料エリアの「フローラル・ファンタジー」。

ふらりと足を踏み入れた瞬間、周囲は一面の生花と花の香りに包まれ、まるでファンタジーの世界へと誘われるような感覚に。

4つのゾーンに分かれており、それぞれ異なる花の景色が広がっていて、思わず何度も立ち止まって写真を撮らずにはいられません。
その美しさに酔いしれながら、ひとりで心ゆくまで、自分だけのペースで歩ける贅沢。まさに最高のひとときでした。
②フォート・カニング・パーク
SNSで見かけて以来、ずっと訪れたかった「フォート・カニング・ツリー・トンネル」。
シンガポールの「フォート・カニング・パーク」にあるこの人気のフォトスポットは、まるで緑のアーチの中に包まれるような美しい光景が広がっています。

私が訪れたのは平日の朝10時過ぎ。それでもすでに長蛇の列ができていて、約2時間待つことになりました。
一人旅だと、こうした待ち時間が少し辛く感じることもありますが、スマホを眺めながら過ごしていると、不思議とあっという間に順番が近づいてきます。
待っている間、偶然後ろに並んでいた日本人観光客とも自然に会話が弾み、最終的には写真撮影もお願いすることに。人気スポットなだけに観光客も多く、撮影時には気軽に声をかけられるのが一人旅には嬉しいポイントです。
③リトルインディア
シンガポールで異国情緒を味わいたくて、リトルインディアに足を運びました。ここは、シンガポール人口の約1割を占めるインド系シンガポール人が暮らし、彼らの文化が色濃く息づくエリアです。
通りにはスパイスの香りが漂い、まるでインドにいるかのような気分に。

特に印象的だったのが、「ケルバウ・ロード」にあるタン・テンニア氏の邸宅跡。
鮮やかな赤、黄色、緑、青といった色彩で装飾されたこの建物は、遠くからでもひときわ目を引き、その場に立つだけでワクワクした気持ちが湧き上がってきます。
カメラを構え、角度を変えながら何度もシャッターを切るたび、カラフルな世界にどんどん引き込まれていくような感覚。ひとりでじっくりとこの色彩の美しさを堪能できる瞬間が、まさに一人旅の醍醐味だと感じました。
④旧ヒル・ストリート警察署
シンガポールの街中でひときわ目を引く、虹色に彩られた窓が並ぶ「旧ヒル・ストリート警察署」は、シンガポールの人気観光スポットの一つ。1928年に建てられた歴史的な建物で、現在は政府の文化省などのオフィスとして使われています。

私が宿泊していた「KINN Capsule Hotel」からも徒歩わずか6分と近く、朝の散歩を兼ねて訪れてみました。

角度を変えながらさまざまな切り取り方で写真を撮るのがとても楽しく、どの方向から見ても違った魅力が感じられます。上から下までカラフルな窓が並ぶ景色は、まるでアートのようでした。
⑤ジュエル
フライト前、少し早めにチャンギ空港へ向かう理由。それは巨大複合施設「ジュエル」Jewel(にあります。

第1ターミナル到着ロビーに直結した抜群のロケーションで、東京ドーム3つ分もの広さに200以上のブランドやレストラン、アトラクション、そしてホテルまで揃うという贅沢さ。

ジュエルを散策していると、シンガポールで人気のアイスクリーム店「Birds of Paradise(バード・オブ・パラダイス)」を発見。店の前には20人ほどの列ができていて、その人気ぶりに思わず引き寄せられました。
フルーツ、ナッツ、植物、スパイスなど、自然の食材で作られたジェラートが魅力で、試食を重ねながら自分のお気に入りを見つけられるのも嬉しいポイントです。
最終的にピスタチオとココナッツシャーベットをチョイス。

ジュエルでは、大好きなディズニーの100周年イベントが開催されていて、シンガポール限定のディズニーテーマのフォトスポットが登場していました。
ディズニー、ピクサー、マーベル、スターウォーズなど、映画のシーンを再現した体験型のフォトスポットが並び、まるで映画の一場面に入り込んだような気分に。
お気に入りのキャラクターと並んで写真を撮る特別なひとときには、ひとりでも自然と笑みがこぼれるほど、大満足の時間を過ごせました。

大好きなものを思う存分に楽しめるのも、一人旅ならではの醍醐味です。
シンガポール一人旅でも楽しめるナイトエンターテイメント

シンガポールの夜を代表するのが、無料で楽しめる2大ナイトショーです。光と音が織りなす幻想的な世界が広がり、まるでその中に引き込まれるかのような没入感。その美しさと迫力に、ただただ心が奪われ、時間を忘れて見入ってしまいます。
①ガーデン・ラプソディー

夜、訪れた「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。お目当ては、毎晩行われるナイトショー「ガーデン・ラプソディー」です。
音楽が流れ出し、スーパーツリーが鮮やかな色に染まっていくと、目の前の景色が一変。近未来的なツリーたちが、カラフルな光で包まれて、まるで異世界に迷い込んだような感覚に。不思議と一人でいることを忘れ、ただその美しさに没入してしまいました。
②スペクトラ
「スペクトラ」は、マリーナベイ・サンズのイベントプラザで毎晩開催される無料のナイトエンターテイメントショーです。最先端のレーザー装置とジェット噴水、プロジェクターが駆使され、音楽、水、光が織りなす壮大なシンフォニーが楽しめます。
おすすめの鑑賞スポットは2箇所。

一つ目のイベントプラザ前は、音楽と光のシンフォニーを間近で堪能できる場所です。
水のスクリーンに映し出されるビジュアルアートは迫力満点。目の前で光が踊り、音楽が高鳴り、自然と心が引き込まれていきました。
ただ、予想外だったのが大量の水飛沫!嵐のような風とともに大量の水飛沫を浴び、全身びしょ濡れに。両隣がたまたま日本人観光客だったこともあり、自然と一体感が生まれ、一人でも寂しさを感じることなく楽しめました。

もう一つのおすすめスポットは対岸。ここから見ると、マリーナベイサンズから放たれるレーザー光線が全体に広がり、ショーの美しさが一段と際立っていました。
一人旅でも安心なシンガポールのホテル「KINN Capsule Hotel」

物価の高いシンガポールで、リーズナブルにおしゃれな滞在を楽しみたいなら「KINN Capsule Hotel(キン・カプセル・ホテル)」がおすすめです。
1泊2万円が一般的なシンガポールのホテル事情の中で、こちらは1泊8,000〜9,000円とお手頃な価格。カプセルホテルタイプの宿泊施設ですが、シンプルで洗練されたデザインが魅力です。

ロビーに足を踏み入れた瞬間、くすみピンクを基調にした内装に心奪われました。センスの良い空間で、思わず「ここにして正解」と感じる心地よさ。
女性専用フロアもあり、セキュリティも万全なので、一人旅の女性でも安心して滞在できます。
部屋は「男女混合」「女性専用」「男性専用」の3タイプに分かれており、特に女性専用ルームは人気が高いため早めの予約がマストです。

各ベッドスペースは、ウッド調の温かみが感じられるデザインで、プライベートな空間をしっかり確保できるカーテン付き。

さらに、ベッド内には、女子には欠かせない鏡やミニテーブルも設置されていて、ちょっとしたメイク直しや身支度にも便利です。
コンセントとUSBポートが2つずつ完備され、スマホやカメラの充電も心配ありませんでした。

貴重品管理も安心。暗証番号式のロッカーが完備されており、セキュリティ対策もしっかりしています。大きなキャリーケースがロッカーに入らなかったので、ベッドの前に保管し、しっかりと鍵をかけて過ごしました。

共用のシャワールームやトイレも清潔に保たれており、気持ちよく滞在できます。
また、チェックイン前後の荷物預かりサービスもあり、観光の際は手ぶらで身軽に動けるのも嬉しいポイント。観光地へのアクセスも良好で、徒歩圏内に多数のスポットがあり、街歩きにもぴったりです。
快適で安心な滞在が叶うこのホテルは、一人でシンガポールを再訪する際には、また必ず選びたい場所となりました。
シンガポール一人旅でやりたいこと4選

一人旅だからこそ、気の向くままに楽しめるシンガポール。ここでは、実際に私が一人旅で満喫した、おすすめの過ごし方を4つお届けします。
①オーチャードで、心の赴くままショッピング

シンガポールで最大のショッピングエリア「オーチャード」。
ふと気になったお店にふらりと立ち寄り、自分のペースでショッピングを楽しむのは、一人旅の醍醐味。誰にも気を使うことなく、気になるアイテムをゆっくり見つけ出す時間がとても贅沢です。
今回は、一人旅の途中でふと見つけた、お気に入りのショップを3つご紹介します。
「THE EDITOR’S MARKET」

アメリカ発のナチュラル系ファッションブランド「THE EDITOR’S MARKET(ザ・エディターズ・マーケット)」。日本人の好みに合ったデザインや色合いのアイテムが豊富で、トレンドに左右されにくいベーシックなスタイルの服が揃っています。

形と色味が気に入ったワンピースを3着購入(1着69シンガポールドル)。長く愛用できそうなアイテムが見つかる、シンプルでおしゃれなショップです。
「THE CLODET LOVER」

シンガポール発のファッションブランド「THE CLODET LOVER(ザ・クローゼット・ラバー)」。
シンプルなデザインから、ニュアンスのあるかわいらしい柄物まで揃っており、特別感のある一着が見つかります。
シンガポールならではのセンスが詰まったデザインは、一人旅の記念にもぴったりです。

「Pomelo.」

タイ発の女性向けファストファッションブランド「Pomelo.(ポメロ)」。
アジアの気候や体型に合わせたデザインが特徴で、ほかのブランドにはないオリジナル柄や独特のデザインが多いのが魅力です。
トレンドアイテムを手頃な価格で手に入れられるのも嬉しいポイント。

②自然を味わいながら気ままに散歩する
シンガポールの大好きなところのひとつは、街中が緑であふれていること。都会的な洗練さを保ちながら、街の随所に緑が溶け込んでいるシンガポールは、まさに「自然と都会の調和」を実現した場所です。日中は暑いので、朝早くにゆっくりと散歩するのがおすすめ。

「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」や「フォート・カニング・パーク」、「シンガポール植物園」などの広大な公園が点在しており、緑豊かな環境でのんびりと過ごせるのはシンガポールならではの魅力です。

有名な「フォート・カニング・ツリー・トンネル」がある「フォート・カニング・パーク」も、実は見どころがたくさん。
バリ風の隠れ家のようなスポットや、植民地時代の趣を残すおしゃれな建築物など、散策しながら思わぬ発見があり、気づけば1時間ほど夢中で歩き続けてしまいました。
自然の中に気ままに身を置くこの贅沢な時間こそ、シンガポールの一人旅の醍醐味です。
③夜景を眺めがら最高の一杯を

シンガポールといえば、ナイトライフを楽しまずには帰れない!シンガポールの夜は、マリーナベイサンズの夜景とともに楽しむのが醍醐味です。
「Brewerkz One Fullerton(ブルーワークズ・ワン・フラトン)」では、マリーナベイサンズを望みながらクラフトビールを味わえる贅沢なひとときを満喫できます。
ボリュームたっぷりのポテトとともにクラフトビールをゆっくりと味わいながら、目の前に広がるマリーナベイサンズの美しさに心を奪われて、贅沢な時間を過ごせました。
④ローカルフードを食べる

旅に出たら、その土地のローカルフードは外せませんよね。
マリーナベイ・サンズ内のショッピングモールにある「TOAST BOX(トーストボックス)」には、シンガポール名物がずらりと揃っています。
私がいただいたのは、シンガポール名物のラクサ(7.2シンガポールドル)。
ラクサは、ココナッツミルクの風味が効いたスパイシーなスープに、麺や具材がたっぷり入った食べ応えのある一品です。
ピリ辛ながらもコクが深く、ひと口ごとにクセになる味わいが広がります。ボリューム満点で、しっかりと満足感を味わえる一皿でした。
シンガポール一人旅で気をつけること

一人旅では、何かトラブルが起きても頼れるのは自分だけ。だからこそ、移動中や滞在先での貴重品や持ち物管理はとても重要です。
滞在中、うっかりスマホの携帯充電器をなくしてしまい、ホテルに戻る頃には充電が残り3%というギリギリの状況でピンチに陥った私。
周囲のシンガポール人にも充電器を持っていないか尋ねたものの、残念ながら誰も持っておらず…。
緊張感が高まる中、なんとか電池が切れる直前に配車アプリを使い、無事ホテルに戻ることができましたが、その間は本当に焦りっぱなし。ホテルの行き先もスマホに頼っていたため、電池切れ寸前で冷や汗ものでした。
翌日、Appleストアで新しい充電器を購入し、予備のバッテリーの重要性を実感。こうしたトラブルも、一人旅ならではの経験ですね。
シンガポール一人旅で写真を撮るコツ

ここまでご紹介してきた写真は誰に撮ってもらったの?と気になっている方もいるかもしれません。
シンガポールは治安が良いため、基本的には三脚を立て、リモートシャッターを片手にセルフフォトで撮影しています。
施設内で三脚を使用する際は、必ずスタッフの方に許可をもらい、他のゲストの邪魔にならないよう徹底。また、周囲に撮影をお願いしやすい雰囲気の方がいるときは、声をかけて撮影を頼むこともあります。
一人旅ならではの工夫を凝らしながら、心に残るシンガポールの景色とともに、素敵な思い出を写真に収めることができました。
シンガポール一人旅で味わう、心に残る贅沢なひととき

アジアを巡る2週間の一人旅の幕開けとして訪れたシンガポール。
自分の好きな場所に浸り、心ゆくまで楽しめる自由さは、一人旅ならではの贅沢です。気ままなペースで過ごしながら、また一つ、大切な思い出が増えました。
日本人もよく見かけるので安心感もあり、2泊3日の短い滞在でも大満喫。一人旅の行き先を探しているなら、見どころがコンパクトにまとまり、治安もよいシンガポールを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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